FOREGROUND
BACKGROUND
エレノアは元々ポートマン家ではなく、グロブナー家の長女として生を受けた。
両親や兄のセオドアに可愛がられながら明るく育ったエレノアだったが、幼少期に目の前で両親が殺されたことをきっかけに兄を含め家族の記憶を全てなくし、性格も暗く塞ぎ込んだものになった。また共に生き残った兄:セオドアのことを忘れているため、スキアー=セオドアであることを気付かずに恋心を抱いている。
はずだった。
結婚が可能になる16歳の誕生日。スキアーには内緒で、父親に失った記憶の全てを知らされる。
エレノアは実の両親を忘れてたことにもショックを受けたが、それ以上に自分が恋心を抱いていたスキアーが実の兄であることに大きくショックを受ける。自分の一人娘という役割や身分だけでなく、血の繋がりとしても結ばれることのない運命に。
スキアーは自身を殺してまで自分を助け守り抜いてくれて居たにもかかわらず、自分は何もかもを忘れ、あまつさえ彼に好意を抱くという愚かさに身を恥じた。エレノアは、彼への気持ちを諦め、従者という役割から解放しようと思案するが、ダメだと思えば思うほど膨れ上がる恋心と悲しみに身を焦がし、思うように気持ちの整理ができないでいた。そんな時、ホテル・カサブランカへの宿泊の話が舞い込んでくる。
エレノアはこの時間を最後に彼への気持ちを諦め、父親に彼を解放して欲しいと頼むことを決意し、ホテル・カサブランカへ足を踏み入れる。
